「Impostor Factory」あの名作 To The Moon 第3弾!
死に行く人の記憶を書き換えて、記憶の中で願いを成就させるサービスを提供しているSimund Corp。そこで働くNeilとEva。今回はどんなクライアントが待っているのかと思いきや、いつもと違った形で始まります。
日本語版はありません。
操作
キーボードまたはマウスで操作します。キーボードの場合は、カーソルかWSADで移動、スペースキーでアクション。マウスの場合は行きたい場所やアクションの対象をクリック。ESCキーでメニューを出し、オプションを変更したり、Save/Loadができます。
オプションは2つだけ。
前回までと違って、本作では謎のパズルゲームはありません。記憶の断片でmementoを集め、バリアにぶつけて壊すのは前2作と同じです。Mementoは記憶の中でポイントとなる出来事や会話を見ることで、得ることができます。そのMementoを持ってバリアに向かって突進すると、自動的にmementoを投げます。
パズルゲームがなくなったこともあり、今までにも増してゲームというより、インタラクティブなドット絵アニメになっています。
内容
※ゲーム中盤のはじめくらいまでを、可能な限りネタバレにならないように紹介します。
Act I
ある雨の日、洋館へと続く道で下ろされた青年Quincy。今回プレイヤーが操作するキャラクターです。
彼はパーティに招待されてやってきました。しかし何で自分が招待されたのか?何故参加すると返事したのか?思い悩みながら、建物へと向かいます。
中に入ると、立派なお屋敷。召使が出迎えます。
2階に上がると、そこには老夫婦と一人の若い女性。この老夫婦はDr.HaynesとDr.Yu。パーティーは彼らが作成中のある機械のデモを行うために開催されたのでした。
そして若い女性の名はLynri。どこかミステリアスな雰囲気を醸し出しています。彼女と他愛のない話をした後、他の部屋をぶらつきます。そしてある部屋から廊下へ出ると…
近寄って介抱しようとしますが、どう見てもこれは手遅れ。Quincyの手には血が付きました。これでは自分が殺人犯だと疑われてしまいます。
あわてて洗面所に入り、手を洗うQuincy。
そして洗面所から出ると、そこには…
Act II
暗闇の中を歩くQuincy。前の方には階段があり、その先には明かりが見えます。
階段を上ると、そこは一面ラベンダー畑。一体ここは何処なのでしょうか?
近くには元気に走り回る子供たちと、先生らしき人がいます。遠足でしょうか。そして赤い服を着た女の子。しかし…女の子が突然倒れます。
病院で説明を受ける父親。
父親はその晩、遠足の途中で帰らざるを得なかった娘を、再びラベンダー畑に望遠鏡を持って連れていきます。家を出るとき、母親は泣いていましたが、小さい彼女にはその理由は分かりませんでした。
ラベンダー畑で父は娘に訪ねます。「星とラベンダー、どっちになりたい?」娘は答えます。「ラベンダーの方が好きだから、星になりたい。」「何でラベンダーの方がいいのに、星になりたいの?」「だってそうすれば…」
どうもQuincyは今、この女の子の記憶の中にいるようです。しかし何故だかは分かりません。
そんな彼女は病気を抱えながらも、成長していきます。そして大学へ入学。勉強に打ち込む中、ある男性と知り合います。
そして…
大学を卒業した彼女は、とある研究所で働くことになりました。彼は一緒についてきて、主夫として彼女をサポートします。
研究に打ち込む彼女。帰りも遅くなり、少しずつ二人はすれ違っていきます…
そんなある日、研究所で事件が起きます。そして仕事一筋だった彼女の生活を一変させます。
彼女は研究所で一体何を作っていたのでしょうか?そもそも、Quincyは何故彼女の記憶の中にいるのでしょうか?これってTo The Moonシリーズなのに、おなじみのキャラは出てこないの?
もちろん全てゲームの進行とともに解き明かされていきます…
感想
To The Moonシリーズファンなら楽しめると思います。あの、いつもの感じです。というか、シリーズのファンでないならやらない方がいいです。一応、シリーズ未プレイでも楽しめると開発者は言っていますが、前2作やらずにプレイするのは絶対にお勧めしません。これをいきなりプレイしても、多分わけ分からないと思います。
グラフィックはいつものドット絵ながら、動きや表情がさらに洗練された感じがしました。ドット絵での演出がさらに磨かれています。そして音楽は…いつものごとく美しい音楽だったのですが、ちょっと暗めな感じが多かった気がします。個人的には前2作の方がよかったです。それでもサントラは買いましたけど。
前作までと大きく違うのは、あの二人がほとんど出てこないことです。Neilのあの軽いノリやEvaとの掛け合いがないこともあってか、いつもより少し暗い感じでした。内容的にも…前2作と比べると、ちょっと落ちる感じはします。しかしこの作品は単体で評価するより、シリーズ全体を一つの作品として見るべきかもしれません。あくまでもシリーズの一部としては、楽しめました。おなじみのキャラへの理解がより深まります。
ボリュームはちょっと少なくなって、クリアまで私で4時間程度。英語読むのが速い人なら、もっと早く終わると思います。
謎はまだまだたくさん残っています。というわけで、まだまだ続きそうな感じではあります…