書評『けっきょく、よはく。 余白を活かしたデザインレイアウトの本』

”レイアウトデザインのOK”とは、どういうことなのか?たくさんのデザインを見てきた著者の行き着いた答えは…

情報がより整理され、デザインがより洗練されていること。

では、どうすればそのようなデザインが作れるのか?著者は言います。読みやすく情報が整理され、しゅっとした、洗練された、おしゃれなデザインに共通するのは…

それは余白。

本書では余白に注目したレイアウトを教えてくれます。

内容

洗練されたデザインがなかなかできないのが悩みの新米デザイナー、いまいちさん。そしておしゃれなデザインをサラッと作ることができるベテランデザイナー、しゅっと先輩。この2人と一緒に余白のレイアウトの勉強が始まります。

そもそも余白とは?

余白とは「何もない空白の部分」のことです。一般的には「白い部分」を指しますが、レイアウトデザインの場合は「文字や装飾などが入っていない部分」を、余白ととらえることができます。

余白を上手に使ったレイアウトは洗練された印象を与えるそうです。

本書ではChapterが1から9まであります。各Chapterは以下のようなテーマになっています。

  1. CAFE DESIGN
  2. NATURAL DESIGN
  3. BUSINESS DESIGN
  4. SCHOOL DESIGN
  5. JAPANESE DESGIN
  6. SALON DESIGN
  7. COSMETIC DESIGN
  8. SEASON DESIGN
  9. LUXURY DESIGN

それぞれのChapterには3~5個の作例があります。例えばCAFE DESIGNでは雑誌のパン屋さん特集、レストランのフードメニューなど。BUSINESS DESIGNでは会社案内のパンフレット、ビジネス名刺など。SEASON DESINGではクリスマスフェアのポスター、バレンタインの催事カタログなど。

そして、それぞれの作例に対して6ページの構成となっています。

  1. NG作例…いまいちさんが作った悪くはないけど、オシャレでない作例
  2. OK作例…しゅっと先輩のアドバイスを受けて修正した作例
  3. 問題点の洗い出し…いまいちさんのデザインの問題点
  4. 修正方法とその目的…どんな目的でその修正をしたのか
  5. 他にもこんなレイアウト…デザインレイアウトのバリエーションを紹介
  6. アドバイス…フォントや配色、その他デザインに関するアドバイス

ちょっとひとつ、SEASON DESIGNのサマーセールのポスターを見てみます。

これが修正前のNG作例と修正後のOK作例。

確かにすっきりしました。

そして、その作例に対して、ほかのレイアウト例や、そのテーマにあったフォントや色のアドバイスもあります。

感想

本書では見開きでNGとOKの作例が並べられていて、非常に見やすいです。

NGといっても決して悪いわけでは、ないんですよ。しかしNGとOKを見比べてみると確かに全然違って見えます。はぁ~、なるほど!と関心するくらいに見やすくなっています。

私はシステムを作るのがメインの仕事で、デザインを専門とするわけではありません。しかし、システムの画面・説明書・プレゼンの資料などデザインを必要とされる個所は多々あります。

別にプロレベルのデザインはできなくても、ちょっとだけポイントを掴むことで、見違えるように変わります。

そんなポイントを学べる本です。持ってて損はないと思います。

基本的には余白をきちんと取りましょう、という話がメインではありますが、余白に限らずフォントや色のこと、ジャンプ率のこと等デザインの参考になる話がたくさん書いてありますので、普通のデザイン入門の本としても役に立ちます。

様々な事例が載っていますので、実際に何かを作っているときに、これと似たデザインはないかな?と探して使うような用途として、活躍してくれそうです。