「Rakuen」 To The Moon以上に涙がとまらない…

病院に入院している小さな少年。母が読んで聞かせてくれるRakuenという本が大好きです。

ある少年がRakuenと呼ばれる島に旅立った仲間達に再会するために、願いをかなえてくれるという森の守り神Morizoraに会いに行くことを決意します。幾多の試練を乗り越え少年は無事に願いをかなえてもらい、Rakuenで仲間たちと再会するというストーリーです。

病院を訪れた母に少年は言います。自分もMorizoraに願いを聞いてもらいたいけどこれは作り話だよね…すると母が教えてくれました。Rakuenの本と鍵があれば秘密の扉が現れるのよ…

To The Moonのサウンドを手掛けたLaura Shigihara氏の作品です。

操作

キーボードまたはコントローラーで操作可能です。

キーボードではカーソルキーで上下左右、エンターでアクションまたは決定、ESCでメニューまたはキャンセル。”Q”キーで母と話すことができます。

コントローラーではアナログスティックで上下左右、Xボタンでアクション/決定、Bボタンでメニュー/キャンセルです。

アイテムは基本的に使用できる場所でアクションキーを押すと自動で使えるものがほとんどですが、たまにメニューをだして使わないといけないものもありました。

内容

※ゲーム序盤のネタバレがあります。

病院に入院している少年。紙で作った兜をいつもかぶっています。

そんな少年のもとにある夜Yamiという名の少年が訪れます。夜にこっそり会いに来て、看護婦さんの足音が聞こえるとそそくさと帰っていきます。

あるときこの病院で事件が起きます。食堂から食べ物が盗まれたのです。さらに大好きだったRakuenの本も盗まれてしまいます。少年は病院内を歩き回り、犯人を捜します。そして不思議な人物に出会います。

Rakuenの本を見つけることができた少年のもとに、ようやく休みがとれた母がやってきてRakuenを読んで聞かせて上げます。

少年が言いました。自分もMorizoraに願いを聞いてもらいたいけどこれは作り話だよね…すると母はRakuenの本と鍵があれば秘密の扉が現れるのよ、といってRakuenの鍵を渡してくれました。

そして少年と母はMorizoraの森への入り口を見つけ、足を踏み入れます。

このFantasyの世界はとてもカラフルです。

この世界ではLeebleという種族をはじめ、人間とは違った姿形の個性的な生き物達が登場します。

Morizoraに会うために2人はダンジョンを通り抜けます。

しかしMorizoraは長い間眠りについていました。そしてMorizoraに願いをかなえてもらうために出された条件、それは同じ病院に入院している人たちを助けることでした。

彼らはそれぞれ誰にも言えない過去の後悔を持っていました。

妻がこん睡状態のままのWinston。

壊れたオルゴールを大事に持ちつづけるTony。

残り時間がないといって土を掘り返すKisaburo。

さよならも言えずに大切な友達と離れることになったSue。

病院にいるキャラたちはFantasyの世界の住民としても登場します。この世界では

WinstonはLeeble、

Tonyは熊、

Kisaburoは半魚人、

Sueは人間っぽい姿で登場します。

このFantasyの世界で彼らとコンタクトを取ることで彼らの過去に何があったのか知ることができるのです。

2つの世界はお互いに影響を及ぼしあっていて、現実世界でしたことがFantasyの世界に反映されたりします。少年と母は2つの世界を行ったり来たりしながら、彼らの手助けをします。

果たして少年はMorizoraに願いをかなえてもらえるのでしょうか…

この病院、あちこち崩れてたり工事中だったりするのですが最後の方でその理由も分かります。

感想

泣けました。

主に5人の登場人物の過去を振り返るオムニバス的な内容です。どうすることもできない過去を背負った人たち、ちょっとしたタイミングのずれで取り返しのつかないことになってしまった人たち、彼らが少年に助けられそのトラウマを乗り越えて新しい一歩を踏み出していく…

プレイしてていたたまれない気持ちになることもありました。ハッピーエンドとは言えないかもしれない、でも決して暗くはなく、先の方にぼんやりと明かりが見える、そんな気持ちになれるゲームでした。

Lauraさんは子供のころを日本で過ごしたそうでこのゲームでは日本の文化、出来事がたくさん出てきます。そもそもこのゲームの舞台が日本のようです。

To The Moon同様RPG Maker製と思われるゲームで、戦闘はなくストーリーを追いかけていくゲームです。ただTo The Moonの場合はかなり限られた範囲を一本道的に移動するだけでした。こちらはそれよりかはRPGっぽく、キャラと会話をしながらRPG的なお使いをマップの中を行ったり来たりしてこなす必要がありました。

謎解きもTo The Moonと違い、途中詰まって若干考えるところがありました。ストーリー的にはこちらの方がより泣けたと思います。ボリューム的にはTo The Moonのほぼ倍、約12時間程度かかりました。

またビジュアルも綺麗です。音楽はLaura Shigiharaさんだけに素晴らしいです。ところどころでボーカル付きの音楽がミュージカルのように流れます。

残念ながらまだ日本語版はありません。でもこれはぜひ日本語版をだしてもらって日本人にこそプレイしてもらいたいです。

このゲームもインディーゲームということで大きな予算があるわけでもなく、大人数で作るでもなく、最新の技術を使うでもなく、それなのにこんなに素晴らしいゲームが作れます。

こういうゲームを作るもっと多くの人たちがゲーム制作だけでご飯を食べれるようになってほしいですね。そうしたらこういう素晴らしいゲームがもっとでてくるでしょうから。