「HER STORY」細切れの事情聴取の映像から紡ぎだされるストーリー
警察のデータベース閲覧用端末の前に座る主人公。そして検索結果の動画に映し出される一人の女性。この女性は誰なのか?何をしたのか?そしてあなたは誰なのか?何もわからないまま物語は始まります。
操作
主人公は警察のデータベース閲覧用の端末の前に座っています。検索ワードを入力して検索、出てきた動画をクリックして閲覧します。
操作はマウスのクリックと、キーボードでの検索ワード入力のみ。”検索ワード”のところに調べたい単語を入力して、”検索”ボタンを押します。
検索キーワードはスペースで区切って、複数の単語を入力することができます。スペースは半角、全角ともに大丈夫でしたが、キーワードは区別されるようです。Googleほどの柔軟性はないので、しっかり正確に入力する必要があります。
すると検索結果の動画が出てきました。表示される検索結果は最初の5個まで。5個以上の検索結果がある場合は、別の単語で検索するか、単語をスペースで区切って複数のキーワードを入力して、絞り込まないといけません。
未読の動画には左上に目のマークがついてます。動画をクリックしてみます。
ポップアップ画面が出てきました。
”セッションに保存”を押すと画面下に保存され、そこからいつでも再生できるようになります。”タグ”には自分で好きな文字列を入力でき、あとからそのタグで検索できるようになります。”再生”を押すと再生です。
右上の”検索”の右隣のボタンを押すと、検索履歴が表示されます。
ウインドウは動かすことができ、裏にもアイコンがあったりします。
DBチェッカーを使うと、どの動画を見たのかが一覧で見れます。
既に見た動画が緑色、最後に見た動画が黄色で表示されます。
ごみ箱の中には、オセロのようなゲームもあって、プレイ可能です。
設定はゲーム起動時の設定と…
ゲーム中は画面右上の設定ボタンを押すと、設定画面が出てきます。設定は二つだけ。
”データをすべて消去”を押すと、セーブデータが消えて、最初からやり直しです。ちなみにセーブファイルの場所は
- (windows)C:\Users\ユーザー名\AppData\LocalLow\Sam Barlow\HerStory
- (mac)~/Library/Application Support/unity.Sam Barlow.HerStory
内容
警察署のデータベース閲覧用の端末の前に座る主人公。昔懐かしのブラウン管のモニターのようです。画面が少し婉曲していて、走査線も見えます。蛍光灯の反射がまぶしい。
モニタには検索システム。そして検索ワードに”殺人”という言葉が既に入力されています。主人公は何を調べようとしているのでしょうか?とりあえず、そのまま検索ボタンを押します。
そして動画を見ていきます。
殺人事件でしょうか?サイモンという人の名前が出てきたので、検索してみます。
動画を見る→検索する→動画を見る→検索する→…
これらを繰り返すことで少しずつ物語が分かってくる仕組みです。検索結果として表示される動画は細切れで、短いものは数秒、長くでも1,2分。しかも検索ワードによって表示される動画が変わるため、時系列はバラバラです。最初は全く話が繋がりません。何のことだかわからないまま、検索と閲覧を繰り返します。
動画の中から検索キーワードになりそうなことばを洗い出して検索を続けます。人名、地名、名詞はまず検索候補です。調べると、たいてい何かが引っ掛かります。
しばらくして分かったのは、ここがイギリスということ。サイモンという人が殺されたということ。事情聴取されているのは1994年の夏ということ。
この女性の名前はハナ・スミス。
殺された男サイモンの妻でした。
ある日、彼女とサイモンは口論し…
たびたび出てくるイヴという名前。それにしても髪型が変わるだけで雰囲気が全く変わります。
取り調べは7回にわたります。
すこしづつ繋がっていく物語。と同時にさらに増してくる謎。
だんだんと未読の動画が減っていき、何というワードで検索したらいいのだろうと、少し行き詰ってきます。
何度も同じ動画を見返すこともありました。新たなキーワードで検索し、そして少しずつ、少しづつ、話が繋がっていきます。ああ、そういうことだったのかと…
最後に分かる、あなたの正体。細切れの動画は、どんな物語を語ってくれたのでしょうか…
感想
面白かったです。検索して、細切れの動画を閲覧。ひたすらそれの繰り返し。ゲームとは言えないかもしれません。
目的も特にここがゴールというのがあるわけではなく(ある程度は動画を見進めるのは必須ですが)、あなたが満足すれば、そこでゲームを終了することもできます。
ストーリー自体も終わってしまうと、そこまで大したストーリーには思えません。最後にはかなりつながってくるとは言え、謎も結構残ったままです。
なのに面白い。次の動画が見たくて見たくてたまらない。
細切れの動画で少しずつ話が繋がっていってたり、音楽だったり、そして何といってもこの女優さんの演技だったりが、このゲームを引き立ててくれます。
途中2回ほど歌を歌う場面があって、
歌がうまいなあと思ってたら音楽もやってるそうですね。と、いってもキーボードとドラムだそうですが…
AAAゲームも面白いですけど、やはりこういった低予算(だよね?)でアイデア勝負のインディーゲームは応援したくなります。
後継作品がでるようですね。こちらも楽しみです。