Unreal Engine4, 5製ゲームをVR化できる魔法のMOD「UEVR」
非VRゲームをVR化できるUEVR
2016年に発売されたHTC VIVEやOculus Riftを皮切りに、一般向けVR機器が続々と発売され、毎年のようにVR元年と言われつつも、いまいちブレークするには至れてない感がするVR。その理由の一つには対応ゲームの少なさがあります。特にAAAゲームはSkyrimやFallout4といったソフトがVR対応されましたが、まだまだ豊富とは言えません。
そんな中、Unreal Engine4または5で作成されたゲームをVR化できるMOD「UEVR」がリリースされました。テスト中のゲームの一覧がGoogle Spreadで公開されており、A列にゲームの名前、M列に対応状況(A.完璧〜E.動作せず)が書かれています。
UEで作られたゲームをVR化できるということで、一気に対応ゲームが広がります。
インストール方法
インストール方法は簡単です。というかインストールの必要もなく、必要なファイルをダウンロードして展開するだけです。必要なファイルはGitHubのReleaseページからダウンロードします。
現在の最新バージョンであるBeta 1.01のAssetsというところのUEVR.zipをダウンロードして、展開します。フォルダの場所はどこでも構いませんので、好きな場所におきましょう。
ドキュメントもあります(英語)。
ABZUをVR化してみる
早速使ってみましょう。前からVRでやってみたかったABZUがUnreal Engine製なので、これに挑戦です。結論からいうとVR化できました!以下に手順を示しますが、少し設定を変える必要がありました。
最初に全体の流れとしては、以下のようになります。
- UEVRを起動する
- プレイしたいゲームを起動する
- UEVRでゲームを選択し、Injectする
- (SteamVRが起動する)
- ヘッドセットをかぶって設定を変更する
- ゲームをプレイ
これだけです。
1. UEVRを起動する
まずはUEVRを起動します。起動するには、展開したフォルダの中にある”UEVRInjector.exe”をダブルクリックします。
なお、このソフトがウイルス判定される場合もあるので、セキュリティソフトから除外しておきましょう。
起動すると次のような画面が表示sれます。
プレイしたいゲームを起動する
今回はABZUをプレイするので、Steamクライアントから起動します。
起動しました。この時点ではまだVRではありません。
UEVRでゲームを選択し、Injectする
Alt+Tabなどでデスクトップ画面に戻り、UEVRで対象のゲームを選択します。分かりにくいですが、赤枠のところで選択できるようになってます。選択したら、すぐ下の”Inject”ボタンを押します。
SteamVRが起動するので、しばらく待ちます。
ヘッドセットをかぶって、設定を変更する
ヘッドセットにゲームが表示されたら、まずは起動完了です。ゲームによってはいきなりプレイ可能かもしれませんが、ABZUは若干の設定変更が必要でした。
Injectが成功するとUEVRの設定画面が表示されます。この画面は(VRでない通常の)コントローラーのLとRのスティック同時押しで、消したり表示したりできます。
まず”Unreal”セクションの”Rendering Method”を”Synchronized Sequential”に変えます。
次に”Console/CVars”セクションの”r.MotionBlurQuality”を0に変えます。
なお、この設定はプロファイルとして保存したり、インポートしたりすることができます。いくつかのプロファイルが公開されてますが、まだまだ少ないです。これから増えることでしょう。
ゲームをプレイ
あとはゲームをプレイします。おお!普通にプレイできる!いや、すごいです。
ただ魚たちが視界の中で消えていくのが気になります。カメラの微調整が必要かもしれません。私はカメラを200程度、前に移動させました。さらに前によせると一人称視点にもなりますが、ちょっと酔いそうなので、これくらいで。
感想
まだABZUしかやってませんが、予想以上のクオリティでした。というか、普通にVRでプレイ可能でした。VRといえば視点が自分から見た視点が多いのですが、ABZUをやった感じでは三人称視点のゲームも結構いいのでは?という感想です。このUEVRのおかげで絶対VR対応することがなさそうなゲームが意外にVRにあってた、なんてことも発見できるかもしれません。
VRが普及しない原因の一つ、対応ゲームの少なさがこれで大きく解消されるのではないでしょうか。もちろん元々がVR向けとして作られているわけではないので、ばっちり動かないものもあるとは思います。が、さらに改良が進み、プロファイルも充実すれば、結構いけるかもしれません。もう既に十分すごいのですが、これからもさらに楽しみです。
ただ、価格の高さ・高性能PCが必要・ごついが解消されないと、まだまだVR元年にはならないかな…