書評『病気が治る鼻うがい健康法 体の不調は慢性上咽頭炎がつくる』

腎臓に異常がおき、赤血球やタンパク粒子が尿に漏れだして、徐々に腎臓の機能が低下していくIgA腎症・肩こり・頭痛・花粉症など一見関係のなさそうなこれらの不調は、鼻と口の間にある上咽頭の炎症が原因かも?

不調とは全然つながりがないように思われる体の個所が、実は体の不調に関わっていたのかもしれません。本書では上咽頭の炎症が起こす、様々な不調とそれらを治す方法について書かれています。

内容

慢性上咽頭炎との出会い

この本を書いた堀田 修さんは腎臓内科医です。治すことが難しいといわれたIgA腎症を「扁摘・ステロイドパルス併用療法」という治療によって、治すことに成功します。

この「扁摘・ステロイドパルス併用療法」は、炎症を起こしている扁桃を切り取って、さらに炎症を抑える作用があるステロイドホルモンという薬を大量に点滴することで、腎臓の炎症を抑えるというものだそうです。

扁桃とは下の付け根にあるこぶのようなリンパ組織で、よく風邪をひいたときに「扁桃腺が腫れている」というあれです。

もともと、IgA腎症の多くの患者の扁桃に膿栓がついていることから、扁桃で起こっている炎症が原因となって、腎臓に炎症が起きているのではないか?と発想したことから扁摘パルスが生まれました。

しかしこの「扁摘・ステロイドパルス併用療法」を行っても、20%くらいの患者は血尿が消えなかったそうです。それはつまり、まだ炎症が続いているということ。著者はそこで、以前から原因の一つと考えていた慢性上咽頭炎を疑い、とある患者さんに対してその治療をすることで、その患者さんの症状が治ったそうです。

上咽頭とは口と鼻の間のいわゆる”のどちんこ”の裏側あたりで、そこの部分が慢性的に病的炎症を起こしていることを「慢性上咽頭炎」と呼びます。

扁桃を摘出する「扁摘・ステロイドパルス併用療法」や上咽頭炎の治療といった、腎臓とは全く関係のなさそうな、喉に対する治療が、一体何故IgA腎症を治すのでしょうか?

病巣感染

ここで、ヒポクラテスの時代からあったといわれる、病巣感染という言葉が出てきます。病巣感染とは…

病巣感染とは、体のどこかに細菌などに感染した場所(病巣)があって、それが原因で感染した場所とは違う、離れた場所に病気が起こることです。

細菌や風邪のウイルスなどが空気とともに体内に入り、上咽頭に付着すると、免疫システムが敵の侵入を察知し、白血球に攻撃を指令します。そして彼ら白血球たちが敵を攻撃し、”炎症”状態となります。ここまではいいのですが、この炎症状態が長引くと、免疫システムが誤動作を起こすそうです。白血球たちはさらに上咽頭から血液に乗って全身をめぐり、何も問題ない部分の白血球たちも起こしてしまい、自分の正常な細胞を攻撃する「自己免疫疾患」状態になります。

なお、細菌やウイルスだけが炎症の原因ではなく、自律神経の乱れによっても、上咽頭の炎症が起こるそうです。

上咽頭炎が関係するさまざまな症状

本書では何人かの患者の事例が紹介されています。上咽頭炎の治療により以下の症状の改善が見られたそうです。

  • 関節痛
  • アトピー性皮膚炎
  • 掌蹠膿疱症
  • 潰瘍性大腸炎
  • ネフローゼ症候群
  • IgA腎症

アレルギー疾患、慢性の皮膚炎、関節炎、片頭痛、自律神経の調節障害などの慢性病の人には、ぜひこの治療法を試してほしいそうです。

治療法

慢性上咽頭炎の治療は、塩化亜鉛の溶液を綿棒につけ、鼻や口からその綿棒をいれて上咽頭にぬるというものです。

そうすると上咽頭に炎症がある人の場合は、強い痛みと出血が認められるそうです。そしてそれを繰り返すうちに徐々に痛みも出血もなくなっていきます。

本来は毎日するのがいいのですが、遠方の患者など来院が難しい人には、溶液を点鼻してもらっているそうです。

なお、書籍の最後にはこの治療を行っている、全国の病院のリストが載っています。ただし、20にも満たないほどの数です。

また、上記ほどの効果はありませんが、生理食塩水・青梅搾汁濃縮液・微酸性電解水での鼻うがい、馬油の点鼻なども紹介されています。

広まらない治療法

この上咽頭炎を治すことで、さまざまな不調が治るという、素晴らしい治療法ですが、上咽頭炎という考え方が広まってはいないそうです。

著者は以下の3つが原因ではないか、と考えています。

  • 診療報酬が低い
  • 治療に伴う痛み
  • 医師たちが懐疑心を持っている

しかし、著者がこの治療法を信じる思いは強いようです。

私自身は学者として非力で、今後、上咽頭炎の概念が後世に残るための科学的立証を行うことは容易なことではありませんが、臨床経験を積めば積むほど、人類の健康に役立ち、幸福に導く可能性を持ったこの概念を何とかもう一度、表舞台に引き出さなければならないという思いが強くなっています。

予防

上咽頭炎を予防するためにはどうしたらいいのでしょうか?

著者は

  • 禁煙
  • きれいな空気を吸う
  • 鼻うがいを習慣づける
  • 首を冷やさない、首のこりを取る
  • 口呼吸を止める
  • ストレスのたまらない生き方をする
  • 免疫力を高める食事をする

を挙げています。書籍では各々の方法について詳しく書かれています。

感想

これを読んでから、私は鼻うがいをするようにしました。こちらを購入。

下は洗浄液です。最初は購入したのですが、今は生理食塩水を自分で作って、上のケースだけ利用しています。

生理食塩水の作り方は簡単です。お湯をしばらく沸騰させて、冷まします。私は毎回500ml使うので、計量カップに500mlを注ぎ、小さじ摺り切り一杯から、少し減らして溶かします。全然痛くないです。ほんのり暖かいくらいの温度が気持ちいいです。

一度塩がよく溶けてなかったことがあって、その時は痛みました。底に塩がたまったままだったので、ちゃんと溶いてから再チャレンジすると、全然痛くない!食塩の効果にちょっと感動しました。

しかし鼻うがいだけでは、残念ながら予防効果はあっても、治癒には至らないようです。

ちゃんと治療するなら塩化亜鉛の塗布ということになるのですが、病院の数が少ないのと、この治療法はかなり痛いみたいです。

ただ世の中には強者がいて、こうゆう商品で自力で治そうとする人たちもいるみたいです。

これはうがい薬ですが、塩化亜鉛が含まれているそうです。さすがに自分で綿棒を使って塗布は、怖くてできませんが、これを入れて鼻うがいくらいならできるかな?

あとこちらは書籍でも紹介されていた微酸性電解水プレフィアです。

まだ使ったことはないのですが、レビューを見ると評判いいですね。買ってみようかな…

ちなみに私は生理食塩水の鼻うがいだけでも、頭痛がなくなりました!頭痛持ちで、ずっと頭痛があるのが当たり前だったのですが、ほぼなくなりました。びっくりです。あと、肩こりがかなり軽減されました。自分では鼻詰まりはない、と思っていたのですが、鼻うがいした後の通り具合は全然違います。さらに、関係あるか分かりませんが、鼻うがいの後は視界が明るくなります。

知ってよかったです、鼻うがい。これからも続けていこうと思います。